犬の状況が変化するというのは、次のようなケースをいいます。これまでの犬の経験から庭での排泄は安全で、ときにはごほうびがもらえること、また室内の排泄は危険を伴うことを犬が学習しており、庭で排泄する習慣がかなりしっかりと定着していたとします。
ある日飼い主は犬の排泄物のせいで芝生が黄色く変色していることに気づき、これからは庭の一角だけで排泄させることにしました。そこでトイレの時間になると、犬をリードにつないで決められた排泄場所に連れてゆき、犬が排泄するたびにほめるということを2-3週間繰り返しました。
その後リードを外して自由に排泄させたところ、犬は最初の何度かは芝生の上で排泄し、飼い主はそのたびに犬を叱りました。3日目になると犬は庭で排泄するのを嫌がるようになりました。
困った飼い主は犬を散歩に連れ出しました。犬はがまんの限界にきていたので、散歩の途中で排泄し、飼い主は犬をほめました。庭よりも散歩の途中で排泄してもらったほうが都合がよいと考えたのです。
これを機に飼い主は、排泄の時間がくると犬を連れて近所を1周するようになりました。これで問題は解決し、庭が汚されることもなくなったのです。